レビ記の批判的口語訳は、創世記の場合と同じ基準と原則に従いました。レビ記は元来、律法書であって、創世記と異なる性格をもつものですが、本訳にも創世記の場合と同様の文体を用い、できるだけ明解なものとなるように努力いたしました。
当用漢字厳守の方針のもとに訳業を進めることにいたしましたので、従来の術語、特に1-7章の奉献祭儀に関する術語についての再検討を行ない、新しい語を造りました。巻末にはその対照表をのせ、カナで表記したそれぞれのヘブライ語もその中にしるしました。
固有名詞のカナ表記については、本訳からは、一般に普及しているものにできるだけ従うようにし、それよりももっとヘブライ語の発音に近い表記ができそうな場合にも、この方針によりました。
レビ記に見られる律法の多種多様の形とその特殊性を、訳文を通じてじゅうぶんにあらわすことはできないことであります。これを補うために、巻末に、この神感書に含まれている律法の分類表を付録としてそえました。なお律法の形については、解説で詳述いたしました。
解説、注、および付録が、読者のために、この律法書に秘められている神のことばをよりよく、かつより深く理解する助けとなれば、幸いであります。
一九五九年 聖霊降臨の大祝日