民數紀略
エジプトの國を出たる次の年の二月の一日にヱホバ、シナイの野に於て集會の幕屋の中にてモーセに告て言たまはく
汝等イスラエルの子孫の全會衆の惣數をその宗族に依り其父祖の家に循ひて核べその諸の男丁の名の數と頭數とを得よ
すなはちイスラエルの中凡て二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る者を汝とアロンその軍旅にしたがひて數ふべし
また諸の支派おのおのその父祖の家の長たる者一人を出して汝等とともならしむべし
汝らとともに立べき人々の名は是なり即ちルベンよりはシデウルの子エリヅル
シメオンよりはツリシヤダイの子シルミエル
ユダよりはアミナダブの子ナシヨン
イツサカルよりはツアルの子ネタニエル
ゼブルンよりはヘロンの子エリアブ
ヨセフの子等の中にてはエフライムよりはアミホデの子エリシヤマ、マナセよりはバダヅルの子ガマリエル
ベニヤミンよりはギデオニの子アビダン
ダンよりはアミシヤダイの子アヒエゼル
アセルよりはオクランの子バギエル
ガドよりはデウエルの子エリアサフ
ナフタリよりはエナンの子アヒラ
是等は會衆の中より選み出されし者にてその父祖の支派の牧伯またイスラエルの千人の長なり
かくてモーセとアロンここに名を擧たる人々を率領て
二月の一日に會衆をことごとく集めければ彼等その宗族に循ひその父祖の家にしたがひその名の數にしたがひて自分の出生を述たりかく二十歳以上の者ことごとく核へらる
ヱホバの命じたまひしごとくモーセ、シナイの野にて彼等を核數たり
すなはちイスラエルの長子ルベンの子等より生れたる者をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるに其名の數に依りその頭數によれば
ルベンの支派の中にその核數られし者四萬六千五百人ありき
またシメオンの子等より生れたる者等をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數に依りその頭數に依ば
シメオンの支派の中にその核數られし者五萬九千三百人ありき
またガドの子等より生れたる者をその宗族に依りその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭に出るに勝る男丁を數へたるにその名の數に依れば
ガドの支派の中にその核數られし者四萬五千六百五十人ありき
ユダの子等より生れたる者をその宗族に依りその父祖の家に循ひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數に依れば
ユダの支派の中にその核數られし者七萬四千六百人ありき
イツサカルの子等より生れたる者をその宗族に依りその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭に出るに勝る男丁を數へたるにその名の數に依ば
イツサカルの支派の中にその核數られし者五萬四千四百人ありき
ゼブルンの子等より生れたる者をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數によれば
ゼブルンの支派の中に其核數られし者五萬七千四百人ありき
ヨセフの子等の中エフライムの子等より生れたる者をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數に依ば
エフライムの支派の中にその核數られし者四萬五百人ありき
又マナセの子等より生れたる者をその宗族に依りその父祖の家に循ひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數に依ば
マナセの支派の中にその核數られし者三萬二千二百人ありき
ベニヤミンの子等より生れたる者をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數によれば
ベニヤミンの支派の中にその數へられし者三萬五千四百人ありき
ダンの子等より生れたる者をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數によれば
ダンの支派の中にその核數られし者六萬二千七百人ありき
アセルの子等より生れたる者をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數によれば
アセルの支派の中にその核數られし者四萬一千五百人ありき
ナフタリの子等より生れたる者をその宗族によりその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁を數へたるにその名の數によれば
ナフタリの支派の中にその數へられし者五萬三千四百人ありき
是すなはちその核數られし者にしてモーセとアロンとイスラエルの牧伯等の數ふる所是のごとしその牧伯等は十二人にして各々その父祖の家のために出たるなり
斯イスラエルの子孫をその父祖の家にしたがひて核べ二十歳以上にして戰爭にいづるに勝る男丁をイスラルの中に數へたるに
其核數られし者都合六十萬三千五百五十人ありき
但しレビの支派の人はその父祖にしたがひて核數らるること無りき
即ちヱホバ、モーセに告て言たまひけらく
惟レビの支派のみは汝これを核數べからずまたその總數をイスラエルの子孫とともに計ふべからざるなり
なんぢレビ人をして律法の幕屋とその諸の器具と其に屬する諸の物を管理らしむべし彼等はその幕屋とその諸の器具を運搬ぶことを爲しまたこれが役事を爲し幕屋の四圍にその營を張べし
幕屋を移す時はレビ人これを折卸し幕屋を立る時はレビ人これを組たつべし外人のこれに近く者は殺さるべし
イスラエルの子孫はその軍旅に循ひて各々自己の營にその天幕を張り各人その隊の纛の下に天幕を張べし
然どレビ人は律法の幕屋の四圍に營を張べし是イスラエルの子孫の全會衆の上に震怒のおよぶことなからん爲なりレビ人は律法の幕屋をあづかり守るべし
是においてイスラエルの子孫ヱホバのモーセに命じたまひしごとくに凡て爲し斯おこなへり
ヱホバ、モーセとアロンに告て言たまはく
イスラエルの子孫は各々その隊の纛の下に營を張てその父祖の旗號の下に居るべくまた集會の幕屋の四圍において之にむかひて營を張べし
即ち日の出る方東に於てはユダの營の纛の下につく者その軍旅にしたがひて營を張りアミナダブの子ナシヨン、ユダの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は七萬四千六百人
その傍に營を張る者はイツサカルの支派なるべし而してツアルの子ネタニエル、イツサカルの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は五萬四千四百人
またゼブルンの支派これと偕にありてヘロンの子エリアブ、ゼブルンの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は五萬七千四百人
ユダの營の軍旅すなはち核數られし者は都合十八萬六千四百人是等の者首先に進むべし
また南の方に於てはルベンの營の纛の下につく者その軍旅にしたがひて居りシデウルの子エリヅル、ルベンの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は四萬六千五百人
その傍に營を張る者はシメオンの支派なるべし而してツリシヤダイの子シルミエル、シメオンの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は五萬九千三百人
ガドの支派これに次ぎデウエルの子エリアサフ、ガドの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は四萬五千六百五十人
ルベンの營の軍旅すなはちその核數られし者は都合十五萬一千四百五十人是等の者第二番に進むべし
その次に律法の幕屋レビ人の營とともに諸營の眞中にありて進むべし彼等はその營を張がごとくに各々その隊にしたがひその纛にしたがひて進むべきなり
また西の方においてはエフライムの營の纛の下につく者その軍旅にしたがひて居りアミホデの子エリシヤマ、エフライムの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は四萬五百人
マナセの支派その傍にありてバダヅルの子ガマリエル、マナセの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は三萬二千二百人
ベニヤミンの支派これに次ぎギデオニの子アビダン、ベニヤミンの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその數へられし者は三萬五千四百人
ヱフライムの營の軍旅すなはちその核數られし者は都合十萬八千一百人是等の者第三番に進むべし
また北の方に於てはダンの營の纛の下につく者その軍旅に循ひて居りアミシヤダイの子アヒエゼル、ダンの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は六萬二千七百人
その傍に營を張る者はアセルの支派なるべし而してオクランの子パギエル、アセルの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は四萬一千五百人
ナフタリの支派これに次ぎエナンの子アヒラ、ナフタリの子孫の牧伯となるべし
その軍旅すなはちその核數られし者は五萬三千四百人
ダンの營の核數られし者は都合十五萬七千六百人是等の者その旗號にしたがひて最後に進むべし
イスラエルの子孫のその父祖の家にしたがひて核數られし者は是のごとし諸營の軍旅すなはちその核數られし者は都合六十萬三千五百五十人なりき
但しレビ人はイスラエルの子孫とともに計へらるること無りきすなはちヱホバのモーセに命じたまへる如し
是においてイスラエルの子孫ヱホバの凡てモーセに命じたまひしごとくに行ひ各々その宗族に依りその父祖の家に依りその隊の纛にしたがひて營を張りまた進むことを爲せり
ヱホバ、シナイ山に於てモーセと語ひたまへる日にはアロンとモーセの一族左のごとくにてありき
アロンの子孫は是のごとし長子はナダブ次はアビウ、エレアザル、イタマル
是すなはちアロンの子等の名なり彼等は皆膏そそがれ祭司の職に任ぜられて祭司となれり
ナダブとアビウはシナイの野にて異火をヱホバの前に献たる時にヱホバの前に死り子なしエレアザルとイタマルはその父アロンの目の前にて祭司の職を爲り
ヱホバまたモーセに告て言たまはく
レビの支派を召よせ祭司アロンの前に侍りてこれに事へしめよ
彼らは集會の幕屋の前にありてアロンの職と全會衆の職に替り幕屋の役事をなすべきなり
すなはち彼等は集會の幕屋の諸の器具を看守イスラエルの子孫の職に替りて幕屋の役事をなすべし
汝レビ人をアロンとその子等に與ふべしイスラエルの子孫の中より彼等は全くアロンに與へられたる者なり
汝アロンとその子等を立て祭司の職を行はしむべし外人の近づく者は殺されん
ヱホバすなはちモーセに告て言たまはく
視よ我イスラエルの子孫の中なる始に生れたる者すなはち首出の代にレビ人をイスラエルの子孫の中より取り
首出はすべて吾が有なり我エジプトの國の中の首出をことごとく撃ころせる時イスラエルの首出を人も畜もことごとく聖別て我に歸せしめたり是はわが有となるべし我はヱホバなり
ヱホバ、シナイの野にてモーセに告ていひたまはく
汝レビの子孫をその父祖の家に依りその宗族にしたがひて核數よ即ちその一箇月以上の男子を核數べし
是においてモーセ、ヱホバの言に循ひてその命ぜられしごとくに之を核數たり
レビの子等の名は左のごとしゲルシヨン、コハテ、メラリ
ゲルシヨンの子等の名はその宗族によれば左の如しリブニ、シメイ
コハテの子等の名はその宗族に依ば左のごとしアムラム、イヅハル、ヘブロン、ウジエル
メラリの子等の名はその宗族によればマヘリ、ムシなりレビ人の宗族はその父祖の家に依ば是のごとくなり
ゲルシヨンよりリブニ人の族とシメイ人の族出たり是すなはちゲルシヨン人の族なり
その核數られし者の數すなはち一箇月以上の男子の數は都合七千五百人
ゲルシヨン人の族は凡て幕屋の後すなはち西の方に營を張べし
而してラエルの子エリアサフ、ゲルシヨン人の牧伯となるべし
集會の幕屋におけるゲルシヨンの子孫の職守は幕屋と天幕とその頂蓋および集會の幕屋の入口の幔と
庭の幕および幕屋と壇の周圍なる庭の入口の幔ならびにその繩等凡て之に用ふる物を守るべき事なり
またコハテよりアムラミ人の族イヅハリ人の族ヘブロン人の族ウジエリ人の族出たり是すなはちコハテ人の族なり
一箇月以上の男子の數は都合八千六百人是みな聖所の職守を守るべき者なり
コハテの子孫の族は凡て幕屋の南の方に營を張べし
而してウジエルの子エリザパン、コハテ人の族の牧伯となるべし
彼等の職守は律法の櫃案燈臺諸壇および聖所の役事に用ふる器具ならびに幔等凡て其處に用ふる物を守るべき事なり
祭司アロンの子エレアザル、レビ人の牧伯の長となり且聖所の職を守る者を統轄るべし
又メラリよりマヘリ人の族とムシ人の族出たり是すなはちメラリの族なり
その核數られし者すなはち一箇月以上の男子の數は六千二百人
アビハイルの子ツリエル、メラリの族の牧伯となり此族幕屋の北の方に營を張べし
メラリの子孫の管理るべき者職守とすべき者は幕屋の板とその横木その柱その座その諸の器具および其に用ふる一切の物
ならびに庭の周圍の柱とその座その釘およびその繩なり
また幕屋の前その東の方すなはち集會の幕屋の東の方にはモーセとアロンおよびアロンの子等營を張りイスラエルの子孫の職守に代て聖所の職守を守るべし外人の近づく者は殺されん
モーセとアロン、ヱホバの言に依りレビ人を悉く核數たるに一箇月以上の男子の數二萬二千ありき
ヱホバまたモーセに言たまはく汝イスラエルの子孫の中の首出たる男子の一箇月以上なる者を盡く數へてその名の數を計れ
我はヱホバなり我ために汝レビ人を取りてイスラエルの子孫の中なる諸の首出子に代へまたレビ人の家畜を取てイスラエルの子孫の家畜の中なる諸の首出に代べし
モーセすなはちヱホバの己に命じたまへるごとくにイスラエルの子孫の中なる首出子を盡く數へたり
その數へられし首出なる男子の一箇月以上なる者はその名の數に依ば都合二萬二千二百七十三人なりき
すなはちヱホバ、モーセに告て言たまはく
汝レビ人を取てイスラエルの子孫の中なる諸の首出子に代へまたレビ人の家畜を取て彼等の家畜に代よレビ人はわが所有とならん我はヱホバなり
またイスラエルの子孫の首出子はレビ人より多きこと二百七十三人なれば是等をば贖ふべき者となし
その頭數に依て一人ごとに五シケルを取べし即ち聖所のシケルに循ひて之を取べきなり一シケルは二十ゲラなり
汝その餘れる者の贖の金をアロンとその子等に付すべし
是においてモーセ、レビ人をもて贖ひ餘せるところの者の贖の金を取り
即ちモーセ、イスラエルの子孫の首出子の中より聖所のシケルにしたがひて金千三百六十五シケルを取り
その贖はるる者の金をヱホバの言にしたがひてアロンとその子等に付せりヱホバのモーセに命じたまひし如し
ヱホバまたモーセとアロンに告て言たまはく
レビの子孫の中よりコハテの子孫の總數をその宗族に依りその父祖の家にしたがひて計べ
三十歳以上五十歳までにして能く軍団に入り集會の幕屋に働作をなすことを得る者をことごとく數へよ
コハテの子孫が集會の幕屋においてなすべき勤務は至聖物に關る者にして是のごとし
即ち營を進むる時はアロンとその子等まづ往て障蔽の幕を取おろし之をもて律法の櫃を覆ひ
その上に獾の皮の蓋をほどこしまたその上に總靑の布を打かけその杠を差いるべし
また供前のパンの案の上には靑き布を打かけその上に皿匙杓および酒を灌ぐ斝を置きまた常供のパンをその上にあらしめ
紅の布をその上に打かけ獾の皮の蓋をもてこれを覆ひ而してその杠を差いるべし
また靑き布を取て燈臺とその盞その燈鉗その剪燈盤および其に用ふる諸の油の器を覆ひ
獾の皮の蓋の内に燈臺とその諸の器をいれてこれを棹にかくべし
また金の壇の上に靑き布を打かけ獾の皮の蓋をもて之を蓋ひその杠を差いるべし
また聖所の役事に用ふる役事の器をことごとく取靑き布に裹み獾の皮の蓋をもてこれを蓋ひて棹にかくべし
また壇の灰を取さりて紫の布をその壇に打かけ
その上に役事をなすに用ふる諸の器具すなはち火鼎肉叉火鏟鉢および壇の一切の器具をこれに載せ獾の皮の蓋をその上に打かけ而してその杠を差とほすべし
營を進むるにあたりてアロンとその子等聖所と聖所の一切の器具を蓋ふことを畢りたらば即ちコハテの子孫いり來りてこれを舁べし然ながら彼等は聖物に捫るべからず恐くは死ん集會の幕屋の中なる是等の物はコハテの子孫の擔ふべき者なり
祭司アロンの子エレアザルは燈火の油馨しき香常供の素祭および灌膏を司どりまた幕屋の全體とその中なる一切の聖物および其處の諸の器具を司どるべし
ヱホバまたモーセとアロンに告て言たまはく
汝等コハテ人の宗族の者をしてレビ人の中より絶るるに至らしむる勿れ
彼等が至聖物に近く時に生命を保ちて死ることなからん爲に汝等かく之に爲べし即ちアロンとその子等まづ入り彼等をして各箇その役事に就しめその擔ふべき物を取しむべし
彼等は入て須臾も聖物を觀るべからず恐らくは死ん
ヱホバまたモーセに告て言たまはく
汝ゲルシヨンの子孫の總數をその父祖の家に依りその宗族に循ひてしらべ
三十歳以上五十歳までにして能く軍團に入り集會の幕屋に動作をなすことを得る者をことごとく數へよ
ゲルシヨン人の働く事と擔ふ物は是のごとし
即ち彼等は幕屋の幕と集會の天幕およびその頂蓋とその上なる貛の皮の蓋ならびに集會の天幕の入口の幔を擔ひ
庭の幕および幕屋と壇の周圍なる庭の門の入口の幔とその繩ならびにそれに用ふる諸の器具と其がために造る一切の物を擔ふべし斯動作べきなり
ゲルシヨンの子孫の一切の役事すなはちその擔ふところと働くところはアロンとその子等の命に循ふべきなり汝等は彼等にその擔ふべき物を割交してこれを守らしむべし
ゲルシヨンの子孫の宗族が集會の幕屋において爲べき動作は是のごとし彼等の守る所は祭司アロンの子イタマルこれを監督るべし
メラリの子孫もまた汝これをその宗族に依りその父祖の家に循ひて計べ
三十歳以上五十歳までにして能く軍團に入り集會の幕屋において勤務をなすことを得る者を盡く數へよ
彼等が集會の幕屋において爲べき一切の役事すなはちその擔ひ守るべき物は是のごとし幕屋の板その横木その柱その座
庭の四周の柱その座その釘その繩およびこれがために用ふる一切の器具なり彼等が擔ひ守るべき器具は汝等その名を按べて之を數ふべし
是すなはちメラリの子孫の族がなすべき役事にして彼等は祭司アロンの子イタマルの監督をうけて集會の幕屋において此すべての役事を爲べきなり
是においてモーセとアロンおよび會衆の牧伯等コハテの子孫をその宗族に依りその父祖の家にしたがひてしらべ
三十歳以上五十歳までにして能く軍團に入り集會の幕屋において勤務をなすことを得る者を盡く數へたるに
その宗族にしたがひて數へられし者二千七百五十人ありき
是すなはちコハテ人の族の數へられし者にして皆集會の幕屋に於て役事をなすことを得る者なりモーセとアロン、ヱホバがモーセによりて命じたまひし所にしたがひて之を數へたり
またゲルシヨンの子孫をその宗族に依りその父祖の家に循ひて計べ
三十歳以上五十歳までにして能く軍團に入り集會の幕屋において勤務をなすことを得る者を數へたるに
その宗族に依りその父祖の家に循ひて數へられし者二千六百三十人ありき
是すなはちゲルシヨンの子孫の族の數へられし者にして皆集會の幕屋において勤務をなすことを得る者なりモーセとアロン、ヱホバの命にしたがひて之を數へたり
またメラリの子孫の族をその宗族に依りその父祖の家に循ひて計べ
三十歳以上五十歳までにして能く軍團に入り集會の幕屋において勤務をなすことを得る者を數へたるに
その宗族にしたがひて數へられし者三千二百人ありき
是すなはちメラリの子孫の族の數へられし者なりモーセとアロン、ヱホバのモーセによりて命じたまひし所にしたがひて之を數へたり
モーセとアロンおよびイスラエルの牧伯等レビ人をその宗族に依りその父祖の家にしたがひてしらべ
三十歳以上五十歳までにして能く來りて集會の幕屋の役事を爲し且これを擔ふ業を爲す者を數へたるに
その數へられしものの數都合八千五百八十人なりき
ヱホバの命にしたがひてモーセかれらを數へ彼等をして各人その役事に就しめかつその擔ふ所をうけもたしめたりヱホバの命にしたがひて數へたるところ是のごとし
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
イスラエルの子孫に命じて癩病人と流出ある者と死骸に汚されたる者とを盡く營の外に出さしめよ
男女をわかたず汝等これを出して營の外に居しめ彼等をしてその營を汚さしむべからず我その諸營の中に住なり
イスラエルの子孫かく爲して之を營の外に出せりすなはちヱホバのモーセに告たまひし如くにイスラエルの子孫然なしぬ
ヱホバまたモーセに告て言たまはく
イスラエルの子孫に告よ男または女もし人の犯す罪を犯してヱホバに悖りその身罪ある者とならば
その犯せし罪を言あらはしその物の代價にその五分の一を加へてこれを己が罪を犯せる者に付してその償を爲べし
然ど若その罪の償を受べき親戚その人にあらざる時はその罪の償をヱホバになして之を祭司に歸せしむべしまた彼のために用ひて贖をなすところの贖罪の牡羊も祭司に歸す
イスラエルの子孫の擧祭となして祭司に携へ來る所の聖物は皆祭司に歸す
諸の人の聖別て献る物は祭司に歸し凡て人の祭司に付す物は祭司に歸するなり
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
イスラエルの子孫に告てこれに言へ人の妻道ならぬ事を爲てその夫に罪を犯すあり
人かれと交合したるにその事夫の目にかくれて露顯ず彼その身を汚したれどこれが證人となる者なく彼またその時に執へられもせざるあり
すなはち妻その身を汚したる事ありて夫猜疑の心を起してその妻を疑ふことあり又は妻その身を汚したる事なきに夫猜疑の心を起してその妻を疑ふことある時は
夫その妻を祭司の許に携へきたり大麥の粉一エパの十分の一をこれがために禮物として持きたるべしその上に油を灌べからずまた乳香を加ふべからず是は猜疑の禮物記念の禮物にして罪を誌えしむる者なればなり
祭司はまたその婦人を近く進ませてヱホバの前に立しめ
瓦の器に聖水を入れ幕屋の下の地の土を取てその水に放ち
其婦人をヱホバの前に立せ婦人にその頭を露さしめて記念の禮物すなはち猜疑の禮物をその手に持すべし而して祭司は詛を來らするとこるの苦き水を手に執り
婦を誓せてこれに言べし人もし汝と寝たる事あらず汝また汝の夫を措て道ならぬ事を爲て汚穢に染しこと無ば詛を來する此苦水より害を受ること有ざれ
然ど汝もし汝の夫を措き道ならぬ事を爲てその身を汚し汝の夫ならざる人と寝たる事あらば
(祭司その婦人をして詛を來らする誓をなさしめて祭司その婦人に言べし)ヱホバ汝の腿を痩しめ汝の腹を脹れしめ汝をして汝の民の指て詛ふ者指て誓ふ者とならしめたまへ
また詛を來らするこの水汝の腸にいりて汝の腹を脹れさせ汝の腿を痩させんとその時婦人はアーメン、アーメンと言べし
而して祭司この詛を書に筆記しその苦水にて之を洗おとし
婦人をしてその詛を來らする水を飮しむべしその詛を來らする水かれの中にいりて苦ならん
祭司まづその婦人の手より猜疑の禮物を取りその禮物をヱホバの前に搖てこれを壇に持來り
而して祭司其禮物の中より記念の分一握をとりて之を壇の上に焚き然る後婦人にその水を飮しむべし
その水を之に飮しめたる時はもしかれその身を汚し夫に罪を犯したる事あるに於てはその詛を來らする水かれの中に入て苦くなりその腹脹れその腿痩て自己はその民の指て詛ふ者とならん
然ど彼もしその身を汚しし事あらずして潔からば害を受ずして能く子を生ん
是すなはち猜疑の律法なり妻たる者その夫を措き道ならぬ事を爲て身を汚しし時
また夫たる者猜疑の心を起してその妻を疑ふ時はその婦人をヱホバの前におきて祭司その律法のごとく之に行ふべきなり
斯せば夫は罪なく妻はその罪を任ん
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
イスラエルの子孫に告て之に言へ男または女俗を離れてナザレ人の誓願を立て俗を離れてその身をヱホバに歸せしむる時は
葡萄酒と濃酒を斷ち葡萄酒の醋となれる者と濃酒の醋となれる者を飮ずまた葡萄の汁を飮ず葡萄の鮮なる者をも乾たる者をも食はざるべし
その俗を離れをる日の間は都て葡萄の樹より取たる者はその核より皮まで一切食ふべからざるなり
その誓願を立て俗を離れをる日の間は都て薙刀をその頭にあつべからずその俗を離れて身をヱホバに歸せしめたる日の滿るまで彼は聖ければその頭髮を長しおくべし
その俗を離れて身をヱホバに歸せしむる日の間は凡て死骸に近づくべからず
其父母兄弟姉妹の死たる時にもこれがために身を汚すべからず其はその俗を離れて神に歸したる記號その首にあればなり
彼はその俗を離れをる日の間は凡てヱホバの聖者なり
もし人計ずも彼の傍に死てそのナザレの頭を汚すことあらばその身を潔る日に頭を剃べしすなはち第七日にこれを剃べきなり
而して第八日に鳲鳩二羽かまたは雛き鴿二羽を祭司に携へきたり集會の幕屋の門にいたるべし
斯て祭司はその一を罪祭に一を燔祭に献げ彼が屍に由て獲たる罪を贖ひまたその日にかれの首を聖潔すべし
彼またその俗を離れてヱホバに歸するの日を新にし當歳の羔羊を携へきたりて愆祭となすべし彼その俗を離れをる時に身を汚したれば是より前の日はその中に算ふべからざるなり
ナザレ人の律法は是のごとしその俗を離るるの日滿たる時はその人を集會の幕屋の門に携へいたるべし
斯てその人は禮物をヱホバにささぐべし即ち當歳の羔羊の牡の全き者一匹を燔祭となし當歳の羔羊の牝の全き者一匹を罪祭となし牡羊の全き者一匹を酬恩祭となし
また無酵パン一筐麥粉に油を和て作れる菓子油を塗たる酵いれぬ煎餅およびその素祭と灌祭の物を持きたるべし
斯て祭司これをヱホバの前に携へきたりその罪祭と酬恩祭を献げ
またその牡羊を筐の中なる酵いれぬパンとあはせこれを酬恩祭の犠牲としヱホバに献ぐべし祭司またその素祭と灌祭をも献ぐべきなり
ナザレ人は集會の幕屋の門に於てそのナザレの頭を剃りそのナザレの頭の髮を取てこれを酬恩祭の犠牲の下の火に放つべし
祭司その牡羊の煮たる肩と筐の中の酵いれぬ菓子一箇と酵いれぬ煎餅一箇をとりてこれをナザレ人がそのナザレの頭を剃におよびてこれをその手に授け
而して祭司ヱホバの前にて之を搖て搖祭となすべし是は聖物にしてその搖る胸と擧たる腿とともに祭司に歸すべし斯て後ナザレ人は洒を飮ことを得
是すなはち誓願を立たるナザレ人がその俗を離れ居し事によりてヱホバに禮物を献ぐるの律法なり此外にまたその能力の及ぶところの物を献ぐることを得べし即ちその立たる誓願のごとくその俗を離るるの律法にしたがひて爲べきなり
ヱホバまたモーセに告て言たまはく
アロンとその子等に告て言へ汝等斯のごとくイスラエルの子孫を祝して言べし
願くはヱホバ汝を惠み汝を守りたまへ
願くはヱホバその面をもて汝を照し汝を憐みたまへ
願くはヱホバその面を擧て汝を眷み汝に平安を賜へと
かくして彼等吾名をイスラエルの子孫に蒙らすべし然ば我かれらを惠まん
モーセ幕屋を建をはり之に膏を灌ぎてこれを聖別めまたその一切の器具およびその壇とその一切の器具に膏を灌ぎて之を聖別たる日に
イスラエルの牧伯等すなはちその諸宗族の長諸支派の牧伯にしてその核數られし者を監督る者等献物を爲り
彼等その禮物をヱホバに持きたるに蓋ある車六輛と牛十二匹あり牧伯二人に車一輛一人に牛一匹なり即ちこれか幕屋の前にひき至れり
時にヱホバ、モーセに告て言たまはく
汝これを彼等より取て集會の幕屋の用に供へレビ人にその職分職分にしたがひて之を授すべし
是においてモーセその車と牛を取て之をレビ人に授せり
即ちゲルシヨンの子孫にはその職分を按へて車二輛と牛四匹を授し
メラリの子孫にはその職分を按へて車四輛と牛八匹を授し祭司アロンの子イタマルをしてこれを監督らしめたり
然どコハテの子孫には何をも授さざりき是は彼等が聖所になすべき職分はその肩をもて擔ふの事なるが故なり
壇に膏を灌ぐ日に牧伯等壇奉納の禮物を携へ來り牧伯等その禮物を壇の上に献げたり
ヱホバ先にモーセに言たまひけるは牧伯等は一日に一人宛その壇奉納の禮物を献ぐべし
第一日に禮物を献げし者はユダの支派のアミナダブの子ナシヨンなり
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふ此二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹アミナダブの子サションの禮物は是の如し
第二日にはイッサカルの牧伯ツアルの子ネタニエル献納を爲り
その献げし禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふ此二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹ツアルの子ネタニエルの禮物は是のごとし
第三日にはゼブルンの子孫の牧伯ヘロンの子エリアブ献納を爲り
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふ此二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹ヘロンの子エリアブの禮物は是のごとし
第四日にはルベンの子孫の牧伯シデウルの子エリヅル献納を爲り
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふ此二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹シデウルの子エリヅルの禮物は是のごとし
第五日にはシメオンの子孫の牧伯ツリシヤダイの子シルミエル献物を爲り
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふ此二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹ツリシヤダイの子シルミエルの禮物は是のごとし
第六日にはガドの子孫の牧伯デウエルの子エリアサフ献納をなせり
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふこの二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹デウエルの子エリアサフの禮物はかくのごとし
第七日にはエフライムの子孫の牧伯アミホデの子エリシヤマ献納をなせり
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふ此二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹アミホデの子エリシヤマの禮物は是のごとし
第八日にはマナセの子孫の牧伯パダヅルの子ガマリエル献納をなせり
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケルみな聖所のシケルに循ふこの二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹パダヅルの子ガマリエルの禮物は是のごとし
第九日にはベニヤミンの子孫の牧伯ギデオニの子アビダン献納をなせり
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケルみな聖所のシケルに循ふこの二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹ギデオニの子アビダンの禮物は是のごとし
第十日にはダンの子孫の牧伯アミシヤダイの子アヒエゼル献納をなせり
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケル皆聖所のシケルに循ふこの二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹アミシヤダイの子アヒエゼルの禮物は是のごとし
第十一日にはアセルの子孫の牧伯オクランの子パギエル献納を爲せり
その禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケルみな聖所のシケルに循ふこの二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
亦金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
亦燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹オクランの子パギエルの禮物は是のごとし
第十二日にはナフタリの子孫の牧伯エナンの子アヒラ献物をなせり
其禮物は銀の皿一箇その重は百三十シケル銀の鉢一箇是は七十シケルみな聖所のシケルに循ふこの二者には麥粉に油を和たる素祭の品を充す
また金の匙の十シケルなる者一箇是には香を充す
また燔祭に用ふる若き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊一匹
罪祭に用ふる牡山羊一匹
酬恩祭の犠牲に用ふる牛二匹牡羊五匹牡山羊五匹當歳の羔羊五匹エナンの子アヒラの禮物は是のごとし
是すなはち壇に油を灌げる日にイスラエルの牧伯等が献げたる壇奉納の禮物なり即ち銀の皿十二銀の鉢十二金の匙十二
銀の皿は各々百三十シケル鉢は各々七十シケル聖所のシケルに依ばこの諸の銀の器はその重都合二千四百シケルなりき
また香を充せる金の匙十二ありその重は聖所のシケルに依ば各々十シケルその匙の金は都合百二十シケルなりき
また燔祭に用ふる者は牡牛十二牡羊十二當歳の羔羊十二ありき之にその素祭の物を加ふまた罪祭の牡山羊十二あり
また酬恩祭の犠牲に用ふる者は牡牛二十四牡羊六十牡山羊六十當歳の羔羊六十あり壇に膏を灌ぎて後に献たる壇奉納の禮物は是のごとし
斯てモーセはヱホバと語はんとて集會の幕屋に入けるに律法の櫃の上なる贖罪所の上兩箇のケルビムの間より聲いでて己に語ふを聽り即ち彼と語へり
ヱホバまたモーセに告て言たまはく
アロンに告て之に言へ汝燈火を燃す時は七の燈盞をして均く燈臺の前を照さしむべし
アロンすなはち然なし燈火を燈臺の前の方にむけて燃せりヱホバのモーセに命じたまへる如し
燈臺の作法は是のごとし是は槌にて椎て作れる者即ちその臺座よりその花まで槌にて椎て作れる者なりモーセ、ヱホバの己に示したまへる式樣にてらしてこの燈臺を作れり
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
レビ人をイスラエルの子孫の中より取てこれを潔めよ
汝かく彼らに爲て之を潔むべし即ち罪を潔むる水を彼等に灑ぎかけ彼等にその身をことごとく剃しめその衣服を洗はしめて之を潔め
而して彼等に若き牡牛一匹と麥粉に油を和たる者を取しめよ汝また別に若き牡牛を罪祭のために取べし
斯て汝レビ人を集會の幕屋の前に携きたりてイスラエルの子孫の全會を集め
而してレビ人をヱホバの前に進ましめてイスラエルの子孫に其手をレビ人の上に按しむべし
而してイスラエルの子孫の爲にレビ人を搖祭となしてヱホバの前に献ぐべし是彼らをしてヱホバの勤務を爲しめんためなり
斯て汝レビ人にその手をかの牛の頭に按しめその一を燔祭となしてヱホバに献げ之をもてレビ人のために贖罪をなすべし
即ちレビ人をアロンとその子等の前に立しめ之を搖祭となしてヱホバに献ぐべし
汝レビ人をイスラエルの子孫の中より區分ちレビ人をしてわが所屬とならしむべし
斯て後レビ人は入て集會の幕屋の役事をなすべし汝かれらを潔め之を献げて搖祭となすべし
彼らはイスラエルの子孫の中よりして我に献げらるる者なりイスラエルの子孫の中なる始に生れたる者すなはちその首出子の代に我かれらを取なり
イスラエルの子孫の中の首出子は人たるも獣たるも凡てわが所屬となるべし其は我エジプトの地において首出子を盡く撃ころしたる時に彼等を聖者となして我に屬せしめたればなり
是をもて我イスラエルの子孫の中の一切の首出子の代にレビ人を取なり
我イスラエルの子孫の中よりレビ人を取て之をアロンとその子等に與へ之をして集合の幕屋においてイスラエルの子孫に代てその役事を爲しめまたイスラエルの子孫のために贖罪をなさしめん是イスラエルの子孫が聖所に近く時にイスラエルの子孫の中に災害の起ざらんためなり
モーセとアロンおよびイスラエルの子孫の全會衆ヱホバがレビ人の事につきてモーセに命じたまへる所に悉くしたがひてレビ人におこなへり即ちイスラエルの子孫かくの如く彼等に行ひたり
レビ人是に於てその身を潔め衣服を洗ひたればアロンかれらをヱホバの前に献て搖祭となしアロンまた彼らのために贖罪をなして之を潔めたり
斯て後レビ人は集會の幕屋に入てアロンとその子等の前にてその役事を爲り彼等はレビ人の事につきてヱホバのモーセに命じたまへる所に循ひて斯のごとく之を行ひたり
ヱホバまたモーセに告て言たまはく
レビ人は斯なすべし即ち二十五歳以上の者は軍団に入て集會の幕屋の役事をなすべし
然ど五十歳よりは軍団を退きて休み重て役事をなすべからず
唯集會の幕屋においてその兄弟等をつかさどり且伺ひ守ることを勤むべし役事を爲すべからず汝レビ人をしてその職務をなさしむるには斯のごとくなすべし
エジプトの國を出たる次の年の正月ヱホバ、シナイの野にてモーセに告ていひたまはく
イスラエルの子孫をして逾越節をその期におよびて行はしめよ
其期即ち此月の十四日の晩にいたりて汝等これを行ふべし汝等これをおこなふにはその諸の條例とその諸の式法に循ふべきなり
是においてモーセ、イスラエルの子孫に逾越節を行ふべき事を告たれば
彼等正月の十四日の晩にシナイの野にて逾越節を行へり即ちイスラエルの子孫はヱホバのモーセに命じたまへる所に盡く循ひてこれを爲ぬ
時に人の死骸に身を汚して逾越節を行ふこと能ざる人々ありてその日にモーセとアロンの前にいたれり
その人々すなはち彼に言ふ我等は人の死骸に身を汚したり然ば我らはその期におよびてイスラエルの子孫と偕にヱホバに禮物を献ることを得ざるべき乎
モーセかれらに言けるは姑く待てヱホバ汝らの事を如何に宣ふかを聽ん
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
イスラエルの子孫に告て言へ汝等または汝等の子孫の中死屍に身を汚したる人も遠き途にある人も皆逾越節をヱホバにむかひて行ふべきなり
即ち二月の十四日の晩に之をおこなひ酵いれぬパンと苦菜をそへて之を食ふべし
朝までこれを少許も遺しおくべからず又その骨を一本も折べからず逾越節の諸の條例にしたがひて之を行ふべし
然ど人その身潔くありまた征途にもあらずして逾越節を行ふことをせざる時はその人民の中より斷れん斯る人はその期におよびてヱホバの禮物を持きたらざるが故にその罪を任べきなり
他國の人もし汝らの中に寄寓をりて逾越節をヱホバにおこなはんとせば逾越節の條例に依りその法式にしたがひて之をおこなふべし他國の人にも自國の人にもその條例は同一なるべし
幕屋を建たる日に雲幕屋を蔽へり是すなはち律法の幕屋なり而して夕にいたれば幕屋の上に火のごとき者あらはれて朝におよべり
即ち常に是のごとくにして晝は雲これを蔽ひ夜は火のごとき者ありき
雲幕屋を離れて上る時はイスラエルの子孫直に途に進みまた雲の止まる所にイスラエルの子孫營を張り
即ちイスラエルの子孫はヱホバの命によりて途に進みまたヱホバの命によりて營を張り幕屋の上に雲の止まれる間は營を張をれり
幕屋の上に雲の止ること日久しき時はイスラエルの子孫ヱホバの職守をまもりて途に進まざりき
また幕屋の上に雲の止まる事日少き時も然り彼等は只ヱホバの命にしたがひて營を張りヱホバの命にしたがひて途に進めり
また雲夕より朝まで止り朝におよびてその雲昇る時は彼等途に進めり夜にもあれ晝にもあれ雲の昇る時は即ち途に進めり
二日にもあれ一月にもあれまたは其よりも多くの日にもあれ幕屋の上に雲の止り居る間はイスラエルの子孫營を張居て途に進まずその昇るにおよびて途に進めり
即ち彼等はヱホバの命にしたがひて營を張りヱホバの命にしたがひて途に進み且モーセによりて傳はりしヱホバの命にしたがひてヱホバの職守を守れり
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
汝銀の喇叭二本を製れ即ち槌にて椎て之を製り之を用ひて人を呼集めまた營を進ますべし
この二者を吹ときは全會衆集會の幕屋の門に集りて汝に就べし
もし只その一を吹く時はイスラエルの千人の長たるその牧伯等集りて汝に就べし
汝等これを吹鳴す時は東の方に營を張る者途に進むべし
また二次これを吹ならす時は南の方に營を張る者途に進むべし凡て途に進まんとする時は音長く喇叭を吹ならすべし
また會衆を集むる時にも喇叭をふくべし但し音長くこれを吹ならすべからず
アロンの子等の祭司たる者どもその喇叭を吹べし是すなはち汝らが代々ながく守るべき例たるなり
また汝らの國において汝等その己を攻るところの敵と戰はんとて出る時は喇叭を吹ならすべし然せば汝等の神ヱホバ汝らを記憶て汝らをその敵の手より救ひたまはん
また汝らの喜樂の日汝らの節期および月々の朔日には燔祭の上と酬恩祭の犠牲の上に喇叭を吹ならすべし然せば汝らの神これに由て汝らを記憶たまはん我は汝らの神ヱホバ也
斯て第二年の二月の二十日に雲律法の幕屋を離れて昇りければ
イスラエルの子孫シナイの野より出でて途に進みたりしがパランの野にいたりて雲止れり
斯かれらはヱホバのモーセによりて命じたまへるところに遵ひて途に進むことを始めたり
首先にはユダの子孫の營の纛の下につく者その軍旅にしたがひて進めりユダの軍旅の長はアミナダブの子ナシヨン
イッサカルの子孫の支派の軍旅の長はツアルの子ネタニエル
ゼブルンの子孫の支派の軍旅の長はへロンの子エリアブなりき
乃ち幕屋を取くづしゲルシヨンの子孫およびメラリの子孫幕屋を擔ひて進めり
次にルベンの營の纛の下につく者その軍旅にしたがひて進めりルベンの軍旅の長はシデウルの子エリヅル
シメオンの子孫の支派の軍旅の長はツリシヤダイの子シルミエル
ガドの子孫の支派の軍旅の長はデウエルの子エリアサフなりき
コハテ人聖所を擔ひて進めり是が至るまでに彼その幕屋を建をはる
次にエフライムの子孫の營の纛の下につく者その軍旅にしたがひて進めりヱフライムの軍旅の長はアミホデの子エリシヤマ
マナセの子孫の支派の軍旅の長はパダヅルの子ガマリエル
ベニヤミンの子孫の支派の軍旅の長はギデオニの子アビダンなりき
次にダンの子孫の營の纛の下につく者その軍旅にしたがひて進めりこの軍旅は諸營の後驅なりきダンの軍旅の長はアミシヤダイの子アヒエゼル
アセルの子孫の支派の軍旅の長はオクランの子バギエル
ナフタリの子孫の支派の軍旅の長はエナンの子アヒラなりき
イスラエルの子孫はその途に進む時は是のごとくその軍旅にしたがひて進みたり
茲にモーセその外舅なるミデアン人リウエルの子ホバブに言けるは我等はヱホバが甞て我これを汝等に與へんと言たまひし處に進み行なり汝も我等とともに來れ我等汝をして幸福ならしめん其はヱホバ、イスラエルに福祉を降さんと言たまひたればなり
彼モーセに言ふ我は往じ我はわが國に還りわが親族に至らん
モーセまた言けるは請ふ我等を棄去なかれ汝は我儕が曠野に營を張るを知ば願くは我儕の目となれ
汝もし我儕とともに往ばヱホバの我儕に降したまふところの福祉を我儕また汝にもおよぼさん
斯て彼等ヱホバの山をたち出て三日路ほど進み行りヱホバの契約の櫃その三日路の間かれらに先だち行て彼等の休息所を尋ね覓めたり
彼等營を出て途に進むに當りて晝はヱホバの雲かれらの上にありき
契約の櫃の進まんとする時にはモーセ言りヱホバよ起あがりたまへ然ば汝の敵は打散され汝を惡む者等は汝の前より逃さらんと
またその止まる時は言りヱホバよ千萬のイスラエル人に歸りたまへ
茲に民災難に罹れる者のごとくにヱホバの耳に呟きぬヱホバその怨言を聞て震怒を發したまひければヱホバの火かれらに向ひて燃いでその營の極端を燒り
是に於て民モーセに呼はりしがモーセ、ヱホバに祈ければその火鎮りぬ
ヱホバの火かれらに向ひて燃出たるに因てその處の名をタベラ(燃)と稱ぶ
茲に彼等の中なる衆多の寄集人等慾心を起すイスラエルの子孫もまた再び哭て言ふ誰か我らに肉を與へて食しめんか
憶ひ出るに我等エジプトにありし時は魚黄瓜水瓜韮葱靑蒜等を心のままに食へり
然るに今は我儕の精神枯衰ふ我らの目の前にはこのマナの外何も有ざるなりと
マナは莞荽の實のごとくにしてその色はブドラクの色のごとし
民行巡りてこれを斂め石磨にひき或は臼に搗てこれを釜の中に煮て餅となせりその味は油菓子の味のごとし
夜にいりて露營に降る時にマナその上に降れり
モーセ聞に民の家々の者おのおのその天幕の門口に哭く是におひてヱホバ烈しく怒を發したまふこの事またモーセの目にも惡く見ゆ
モーセすなはちヱホバに言けるは汝なんぞ僕を惡くしたまふ乎いかなれば我汝の前に恩を獲ずして汝かく此すべての民をわが任となして我に負せたまふや
この總體の民は我が姙みし者ならんや我が生し者ならんや然るに汝なんぞ我に慈父が乳哺子を抱くがごとくに彼らを懐に抱きて汝が昔日かれらの先祖等に誓ひたまひし地に至れと言たまふや
我何處より肉を得てこの總體の民に與へんや彼等は我にむかひて哭き我等に肉を與へて食しめよと言なり
我は一人にてはこの總體の民をわが任として負ことあたはず是は我には重きに過ればなり
我もし汝の前に恩を獲ば請ふ斯我を爲んよりは寧ろ直に我を殺したまへ我をしてわが困苦を見せしめたまふ勿れ
是においてヱホバ、モーセに言たまはくイスラエルの老人の中民の長老たり有司たるを汝が知るところの者七十人を我前に集め集會の幕屋に携きたりて其處に汝とともに立しめよ
我降りて其處にて汝と言はん又われ汝の上にあるところの霊を彼等にも分ち與へん彼等汝とともに民の任を負ひ汝をして只一人にて之を負ふこと無らしむべし
汝また民に告て言へ汝等身を潔めて明日を待て必ず肉を食ふことを得ん汝等ヱホバの耳に哭て誰か我等に肉を與へて食しめん我らエジプトにありし時は却て善りしと言たればヱホバなんぢらに肉を與へて食しめたまふべし
汝等がこれを食ふは一日や二日や五日や十日や二十日にはあらずして
一月におよび遂に汝らの鼻より出るにいたらん汝等これに饜はつべし是なんぢら己等の中にいますヱホバを軽んじてその前に哭き我等何とてエジプトより出しやと言たればなり
モーセ言けるは我が偕にをる民は歩卒のみにても六十萬あり然るに汝は我かれらに肉を與へて一月の間食しめんと言たまふ
羊と牛の群を宰るとも彼等を飽しむることを得んや海の魚をことごとく集むるとも彼等を飽しむることを得んや
ヱホバ、モーセに言たまはくヱホバの手短からんや吾言の成と然らざるとは汝今これを見るあらん
是に於てモーセ出きたりてヱホバの言を民に告げ民の長老七十人を集めて幕屋の四圍に立しめけるに
ヱホバ雲の中にありて降りモーセと言ひモーセのうへにある霊をもてその長老七十人にも分ち與へたまひしがその霊かれらの上にやどりしかば彼等預言せり但し此後はかさねて爲ざりき
時に彼等の中なる二人の者營に止まり居るその一人の名はエルダデといひ一人の名はメダデと曰ふ霊またかれらの上にもやどれり彼らは其名を録されたる者なりしが幕屋に往ざりければ營の中にて預言をなせり
時に一人の少者奔りきたりモーセに告てエルダデとメダデ營の中にて預言すと言ければ
その少時よりしてモーセの從者たりしヌンの子ヨシユアこたへて曰けるは吾主モーセこれを禁めたまヘ
モーセこれに言けるは汝わがために媢嫉を起すやヱホバの民の皆預言者とならんことまたヱホバのその霊を之に降したまはんことこそ願しけれ
斯てモーセ、イスラエルの長老等とともに營に返れり
茲にヱホバの許より風おこり出て海の方より鶉を吹きたりこれをして營の周圍に堕しめたりその堕ひろがれること營の四周此旁も大約一日路彼旁も大約一日路地の表より高きこと大約二キユビトなりき
民すなはち起あがりてその日終日その夜終夜またその次の日終日鶉を拾ひ斂めけるが拾ひ斂むることの至て寡き者も十ホメルほど拾ひ斂めたり皆これを營の周圍に陳べおけり
肉なほ歯のあひだにありていまだ食つくさざるにヱホバ民にむかひて怒を發しこれを撃ておほいに滅ぼしたまへり
是をもてその處の名をキブロテハッタワ(慾心の墓)とよべり其は慾心をおこせる人々を其處に埋たればなり
斯て民キブロテハツタワよりハゼロテに進みゆきてハゼロテに居ぬ
モーセはエテオピアの女を娶りたりしがそのエテオピアの女を娶りしをもてミリアムとアロン、モーセを謗れり
彼等すなはち言けるはヱホバただモーセによりてのみ語りたまはんやまた我等によりても語り給ふにあらずやとヱホバこれを聞たまへり
(モーセはその人と爲温柔なること世の中の諸の人に勝れり)
是に於てヱホバ遽にモーセ、アロン及びミリアムに言たまはく汝等三人集會の幕屋に出きたれと三人すなはち出きたりければ
ヱホバ雲の柱の中にありて降り幕屋の門に立てアロンとミリアムを呼たまひしがかれら二人進みたれば
之に言たまはく汝等わが言を聽け汝らの中にもし預言者あらば我ヱホバ異象において我をこれに知しめまた夢において之と語らん
わが僕モーセに於ては然らず彼はわが家に忠義なる者なり
彼とは我口をもて相語り明かに言ひて隠語を用ひず彼はまたヱホバの形を見るなり然るを汝等なんぞわが僕モーセを謗ることを畏れざるやと
ヱホバかれらに向ひ忿怒を發して去たまへり
雲すなはち幕屋をはなれて去ぬその時ミリアムに癩病生じてその身雪のごとく爲りアロン、ミリアムを見かへるに旣に癩病生じをる
アロン是においてモーセに言けるは嗟わが主よ我等愚なる事をなして罪を犯したれど願くは其罪を我等に蒙らしむる勿れ
彼をして母の胎より肉半分腐れて死て生れいづる者のごとくならしむる勿れ
モーセすなはちヱホバに呼はりて言ふ嗚呼神よ願くは彼を醫したまへ
ヱホバ、モーセに言たまひけるは彼の父その面に唾する事ありてすら彼は七日の間羞をるべきに非ずや然ば七日の間かれを營の外に禁鎖おきて然る後に歸り入しむべしと
ミリアムはすなはち七日の間營の外に禁鎖られぬ民はミリアムの歸り入るまで途に進まざりき
その後民ハゼロテより進みてバランの曠野に營を張り
茲にヱホバ、モーセに告て言たまはく
汝人を遣して我がイスラエルの子孫に與ふるカナンの地を窺はしめよ即ち支派ごとに一人を取て之を遣すべし其人々は皆かれらの中の牧伯たる者なるべし
モーセすなはちヱホバの命にしたがひてバランの曠野よりこれを遣せりその人等は皆イスラエルの子孫の領袖たる者なり
その名は是のごとしルベンの支派にてはザックルの子シヤンマ
シメオンの支派にてはホリの子シヤパテ
ユダの支派にてはエフンネの子カルブ
イッサカルの支派にてはヨセフの子イガル
エフライムの支派にてはヌンの子ホセア
ベニヤミンの支派にてはラフの子パルテ
ゼブルンの支派にてはソデの子ガデエル
ヨセフの支派すなはちマナセの支派にてはスシの子ガデ
ダンの支派にではゲマリの子アンミエル
アセルの支派にてはミカエルの子セトル
ナフタリの支派にてはワフシの子ナヘビ
ガドの支派にてはマキの子ギウエル
是すなはちモーセがその地を窺はしめんとて遣したる人々の名なり時にモーセ、ヌンの子ホセアをヨシユアと名けたり
モーセかれらを遣はしてカナンの地を窺はしめんとして之に言けるは汝等その南の方に赴きて山に登り
その地の如何と其處に住む民の強か弱か多か寡かを觀
またその住ところの地は善か惡か其住ところの邑々は如何なるものなるか彼等は天幕に住をるか城の邑に住をるかを觀
またその地は腴なるか痩たるか其中に樹あるや否を觀よ汝等勇しかれその地の果物を携へきたれよとこの時は葡萄の熟し始むる時なりき
是において彼等上りゆきてその地を窺ひチンの曠野よりレホブにおよべり是はハマテに近し
彼等すなはち南の方に上りゆきてヘブロンにいたれり此にはアナクの子アヒマン、セシヤイおよびタルマイあり(ヘブロンはエジプトのゾアンよりも七年前に建たる者なり)
彼らつひにエシコルの谷にいたり其處より一球の葡萄のなれる枝を砍とりてこれを杠に貫き二人してこれを擔へりまた石榴と無花果を取り
イスラエルの子孫其處より葡萄一球を砍とりしが故にその處をエシコル(一球の葡萄)の谷と稱ふ
彼ら四十日を經その地を窺ふことを竟て歸り
パランの曠野なるカデシに至りてモーセとアロンおよびイスラエルの子孫の全會衆に就きかれらと全會衆にその復命を申しその地の果物をこれに見せり
彼等すなはちモーセに語りて言ふ我等は汝が遣しし地にいたれり誠に其處は乳と蜜とながる是その果物なり
然ながらその地に住む民は猛くその邑々は堅固にして甚だ大なり我等またアナクの子孫の其處にをるを見たり
またアマレキ人その南の地に住みヘテ人エブス人およびアモリ人その山々に住みカナン人その海邊とヨルダンの邊に住をると
時にカルブ、モーセの前に民を靜めて言けるは我等直に上りゆきて之を攻取ん我等は必ずこれに勝ことを得ん
然ど彼とともに往たる人々は言ふ我等はかの民の所に攻上ることを得ず彼らは我らよりも強ければなりと
彼等すなはちその窺ひたりし地の事をイスラエルの子孫の中に惡く言ふらして云く我等が行巡りて窺ひたる地は其中に住む者を呑ほろぼす地なり且またその中に我等が見し民はみな身幹たかき人なりし
我等またアナクの子ネピリムを彼處に見たり是ネピリムより出たる者なり我儕は自ら見るに蝗のごとくまた彼らにも然見なされたり
是において會衆みな聲をあげて叫び民その夜哭あかせり
すなはちイスラエルの子孫みなモーセとアロンに對ひて呟き全會衆かれらに言けるは嗚呼我等はエジプトの國に死たらば善りしものを又はこの曠野に死ば善らんものを
何とてヱホバ我等をこの地に導きいりて劍に斃れしめんとし我らの妻子をして掠められしめんとするやエジプトに歸ること反て好らずやと
互に相語り我等一人の長を立てエジプトに歸らんと云り
是をもてモーセとアロンはイスラエルの子孫の全會衆の前において俯伏たり
時にかの地を窺ひたりし者の中なるヌンの子ヨシユアとヱフンネの子カルブその衣服を裂き
イスラエルの子孫の全會衆に語りて言ふ我等が行巡りて窺ひたりし地は甚だ善き地なり
ヱホバもし我等を悦びたまはば我らをその地に導きいりて之を我等に賜はん是は乳と蜜との流るる地なるぞかし
唯ヱホバに逆ふ勿れまたその地の民を懼るるなかれ彼等は我等の食物とならん彼等の影となる者は旣に去りかつヱホバわれらと共にいますなり彼等を懼るる勿れ
然るに會衆みな石をもて之を撃んとせり時にヱホバの榮光集會の幕屋の中よりイスラエルの全體の子孫に顯れたり
ヱホバすなはちモーセに言たまはく此民は何時まで我を藐視るや我諸の休徴をかれらの中間に行ひたるに彼等何時まで我を賴むことを爲ざるや
我疫病をもてかれらを撃ち滅し汝をして彼等よりも大なる強き民とならしめん
モーセ、ヱホバに言けるは汝がその權能をもてこの民をエジプトより導き出したまひし事はエジプト人唯これを聞し而已ならず
また之をこの地に住る民に告たりまた彼等は汝ヱホバがこの民の中に在し汝ヱホバが明かにこれに顯れたまふことを聞きまたその上に汝の雲をりて汝が晝は雲の柱の中にあり夜は火の柱の中にありて之が前に行たまふを聞り
然ば汝もしこの民を一人のごとくに殺したまはば汝の名聲を聞る國人等言ん
ヱホバこの民を導きてその之に誓ひたりし地に至ること能はざるが故に之を曠野に殺せりと
吾主ねがはくは今汝の權能を大ならしめて汝の言たまへる如したまへ
汝曾言たまひけらくヱホバは怒ること遅く恩惠深く惡と過とを赦す者また罰すべき者をば必ず赦すことをせず父の罪を子に報いて三四代に及ぼす者と
願くは汝の大なる恩惠をもち汝がエジプトより今にいたるまでこの民を赦しし如くにこの民の惡を赦したまへ
ヱホバ言たまはく我汝の言にしたがひて之を赦す
然ながら我の活るごとくまたヱホバの榮光の全世界に充わたらん如く
かのわが榮光および我がエジプトと曠野において行ひし休徴を見ながら斯十度も我を試みて我聲に聽したがはざる人々は
皆かならず我がその先祖等に誓ひし地を見ざるべしまた我を藐視る人々も之を見ざるべし
但しわが僕カルブはその心異にして我に全く從ひたれば彼の往たりし地に我かれを導きいらんその子孫これを有つに至るべし
アマレキ人とカナン人谷にをれば明日汝等身を轉して紅海の路より曠野に退くべし
ヱホバ、モーセとアロンに告て言たまはく
我この我にむかひて呟くところの惡き會衆を何時まで赦しおかんや我イスラエルの子孫が我にむかひて呟くところの怨言を聞り
彼等に言へヱホバ曰ふ我は活く汝等が我耳に言しごとく我汝等になすべし
汝らの屍はこの曠野に横はらん即ち汝ら核數られたる二十歳以上の者の中我に對ひて呟ける者は皆ことごとく此に斃るべし
ヱフンネの子カルブとヌンの子ヨシュアを除くの外汝等は我が汝らを住しめんと手をあげて誓ひたりし地に至ることを得ず
汝等が掠められんと言たりし汝等の子女等を我導きて入ん彼等は汝らが顧みざるところの地を知に至るべし
汝らの屍はかならずこの曠野に横はらん
汝らの子女等は汝らが屍となりて曠野に朽るまで四十年の間曠野に流蕩て汝らの悸逆の罪にあたらん
汝らはかの地を窺ふに日數四十日を經たれば其一日を一年として汝等四十年の間その罪を任ひ我が汝らを離たるを知べし
我ヱホバこれを言り必ずこれをかの集りて我に敵する惡き會衆に盡く行なふべし彼らはこの曠野に朽ち此に死うせん
モーセに遣されてかの地を窺ひに往き還り來りてその地を謗り全會衆をしてモーセに對ひて呟かしめたる人々
即ちその地を惡く言なしたるかの人々は罰をうけてヱホバの前に死り
但しその地を窺ひに往きたる人々の中ヌンの子ヨシユアとヱフンネの子カルブとは生のこれり
モーセこれらの事をイスラエルの子孫に告ければ民痛く哀み
朝蚤く起いでて山の嶺に登りて言ふ視よ我儕此にあり率ヱホバの約束したまひし地に上りゆかん我等罪を犯したればなり
モーセ言けるは汝等なんぞ斯ヱホバの命に背くやこの事成就せざるべし
汝ら上り行く勿れヱホバ汝らの中にいまさざれば恐くは汝らその敵の前に撃破られん
アマレキ人とカナン人其處に汝らの前にあれば汝等は劍に斃るるならん汝らヱホバに遵はざりし故にヱホバ汝等と偕に在さざるべしと
然るに彼等自擅に山の嶺に登れり但しヱホバの契約の櫃およびモーセは營を出ざりき
斯りしかばその山に住るアマレキ人とカナン人下り來てこれを打敗りホルマまで追いたれり
茲にヱホバ、モーセに告て言たまはく
イスラエルの子孫に告て之に言へ我が汝等に與へて住しむる地に汝等到り
ヱホバに火祭を献る時すなはち願を還す時期又は自意の禮物を爲の時期または汝らの節期にあたりて牛あるひは羊をもて燔祭または犠牲を献げてヱホバに馨しき香を奉つる時は
その禮物をヱホバに献る者もし羔羊をもて燔祭あるひは犠牲となすならば麥粉十分の一に油一ヒンの四分の一を混和たるをその素祭として供へ酒一ヒンの四分の一をその灌祭として供ふべし
若また牡羊を之に用ふるならば麥粉十分の二に油一ヒンの三分の一を混和たるをその素祭として供へ
また酒一ヒンの三分の一をその灌祭として献げヱホバに馨しき香をたてまつるべし
汝また願還あるひは酬恩祭をヱホバになすに當りて牡牛をもて燔祭あるひは犠牲となすならば
麥粉十分の三に油一ヒンの半を混和たるを素祭となしてその牡牛とともに献げ
また酒一ヒンの半をその灌祭として献ぐべし是すなはち火祭にしてヱホバに馨しき香をたてまつる者なり
牡牛あるひは牡羊あるひは羔羊あるひは羔山羊は一匹ごとに斯爲べきなり
即ち汝らが献ぐるところの數にてらしその數にしたがひて一匹ごとに斯なすべし
本國に生れたる者火祭を献げてヱホバに馨しき香をたてまつる時には凡て斯のごとく是等の事を行ふべし
また汝らの中に寄寓る他國の人あるひは汝らの中に代々住ふところの人火祭をささげてヱホバに馨しき香をたてまつらんとする時は汝らの爲がごとくにその人もなすべきなり
汝ら會衆および汝らの中に寄寓る他國の人は同一の例にしたがふべし是は汝らが代々永く守るべき例なり他國の人のヱホバの前に侍ることは汝等と異るところ無るべきなり
汝らと汝らの中に宿寓る他國の人とは同一の法同一の禮式にしたがふべし
ヱホバまたモーセに告て言たまはく
イスラエルの子孫に告てこれに言へ我が汝等を導き往ところの地に汝等いたらん時は
その地の食物を食ふにあたりて汝ら擧祭をヱホバにささぐべし
即ち汝らはその麥粉の初をもてパンを作りてこれを擧祭にそなふべし是は禾場より擧祭をそなふるが如くに擧てそなふべきなり
汝ら代々その麥粉の初をもて擧祭をヱホバにたてまつるべし
汝等もし誤りてヱホバのモーセに告たまへるこの諸の命令を行はず
ヱホバがモーセをもて命じたまひし事等並にその命ずることを始めたまひし日より以來汝らの代々にも命じたまはんところの事等を行はざる事有ん時
すなはち會衆誤りて犯す所ありて之を知ざることあらん時は全會衆少き牡牛一匹を燔祭にささげてヱホバに馨しき香とならしめ之にその素祭と灌祭を禮式のごとくに加へまた牡山羊一匹を罪祭にささぐべし
而して祭司イスラエルの子孫の全會衆のために贖罪を爲べし斯せば是は赦されん是は過誤なればなり彼等はその禮物として火祭をヱホバにささげまたその過誤のために罪祭をヱホバの前にささぐべし
然せばイスラエルの子孫の會衆みな赦されんまた彼等の中に寄寓る他國の人も然るべし其は民みな誤り犯せるなればなり
人もし誤りて罪を犯さば當歳の牝山羊一匹を罪祭に献ぐべし
祭司はまたその誤りて罪を犯せる人が誤りてヱホバの前に罪を獲たるが爲に贖罪をなしてその罪を贖ふべし然せば是は赦されん
イスラエルの子孫の國の者にもあれまた其中に寄寓る他國の人にもあれ凡そ誤りて罪を犯す者には汝らその法を同じからしむべし
本國の人にもあれ他國の人にもあれ凡そ擅横に罪を犯す者は是ヱホバを瀆すなればその人はその民の中より絶るべし
斯る人はヱホバの言を軽んじその誡命を破るなるが故に必ず絶れその罪を身に承ん
イスラエルの子孫曠野に居る時安息日に一箇の人の柴を拾ひあつむるを見たり
是においてその柴を拾ひあつむるを見たる者等これをモーセとアロンおよび會衆の許に曳きたりけるが
之を如何に爲べきか未だ示諭を蒙らざるが故に之を禁錮おけり
時にヱホバ、モーセに言たまひけるはその人はかならず殺さるべきなり全會衆營の外にて石をもて之を撃べしと
全會衆すなはち之を營の外に曳いだし石をもてこれを撃ころしヱホバのモーセに命じたまへるごとくせり
ヱホバ亦モーセに告て言たまはく
汝イスラエルの子孫に告げ代々その衣服の裾に襚をつけその裾の襚 の上に靑き紐をほどこすべしと之に命ぜよ
此襚は汝らに之を見てヱホバの諸の誡命を記憶して其をおこなはしめ汝らをしてその放縦にする自己の心と目の欲に從がふこと無らしむるための者なり
斯して汝等吾もろもろの誡命を記憶して之を行ひ汝らの神の前に聖あるべし
我は汝らの神ヱホバにして汝らの神とならんとて汝らをエジプトの地より導きいだせし者なり我は汝らの神ヱホバなるぞかし
茲にレビの子コハテの子イヅハルの子なるコラおよびルベンの子等なるエリアブの子ダタンとアビラム並にペレテの子オン等相結び
イスラエルの子孫の會衆の中に選まれて牧伯となれるところの名ある人々二百五十人とともに起てモーセに逆らふ
すなはち彼等集りてモーセとアロンに逆ひ之に言けるは汝らはその分を超ゆ會衆みな盡く聖者となりてヱホバその中に在すなるに汝ら尚ヱホバの會衆の上に立つや
モーセこれを聞て俯伏たりしが
やがてコラとその一切の黨類に言けるは明日ヱホバ己の所屬は誰聖者は誰なるかを示して其者を己に近かせたまはん即ちその選びたまへる者を己に近かせたまふべし
汝等かく爲よコラとその黨類よ汝等みな火盤を取り
その中に火をいれその中に香を盛て明日ヱホバの前に至れその時ヱホバの選みたまふ人は聖者たるべしレビの人々よ汝等はその分を超るなり
モーセまたコラに言けるは汝等レビの子等よ請ふ聽け
イスラエルの神汝らをイスラエルの會衆の中より分ち己に近かせてヱホバの幕屋の役事を爲しめ會衆の前に立て之にかはりて勤務をなさしめたまふ是あに汝らにとりて小き事ならんや
神すでに汝と汝の兄弟なるレビの兒孫等を己に近かせたまふに汝らまた祭司とならんことをも求むるや
汝と汝の黨類は皆これがために集りてヱホバに敵するなりアロンを如何なる者として汝等これに對ひて呟くや
かくてモーセ、エリアブの子ダタンとアビラムを呼に遣はしけるに彼等いひけるは我等は上り往じ
汝は乳と蜜との流るる地より我らを導き出して曠野に我らを殺さんとす是あに小き事ならんや然るに汝また我等の上に君たらんとす
且また汝は我らを乳と蜜との流るる地にも導きゆかずまた田畝をも葡萄園をも我らに與へて有たしめず汝この人々の目を抉りとらんとするや我等は上りゆかじ
是においてモーセおほいに怒りヱホバに申しけるは汝かれらの禮物を顧みたまふ勿れ我はかれらより驢馬一匹をも取しことなくまた彼等を一人も害せしこと無し
斯てモーセ、コラに言けるは汝と汝の黨類みなアロンと偕に明日ヱホバの前に至れ
即ち汝らおのおの火盤を執てその中に香を盛り各人その火盤をヱホバの前に携へいたれその火祭は都合二百五十汝とアロンも各々その火盤を携へいたるべしと
彼等すなはち各々火盤を執り火をその中にいれて香をその上に盛りモーセおよびアロンとともに集會の幕屋の門に立り
コラ會衆をことごとく集會の幕屋の門に集めおきてかれら二人に敵せしめんとせしにヱホバの榮光全會衆に顯れ
ヱホバ、モーセとアロンに告て言たまひけるは
汝等この會衆を離れよ我これを直に滅さんとすと
是においてかれら二人俯伏て言ふ神よ一切の血肉ある者の生命の神よこの一人の者罪を犯したればとて汝全會衆にむかひて怒を發したまふや
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
汝會衆にむかひてコラとダタンとアビラムの居所の周圍を去れと言へと
モーセすなはち起あがりてダタンとアビラムの所に往けるがイスラエルの長老等これに從がひいたれり
而してモーセ會衆に告て言けるは汝らこの惡き人々の天幕を離れて去れ彼等の物には何にも捫る勿れ恐くは彼らの諸の罪のために汝らも滅ぼされん
是において人々はコラとダタンとアビラムの居所を離れて四方に去ゆけりまたダタンとアビラムはその妻子ならびに幼兒とともに出てその天幕の門に立り
モーセやがて言けるは汝等ヱホバがこの諸の事をなさせんとて我を遣したまへる事また我がこれを自分の心にしたがひて行ふにあらざる事を是によりて知べし
すなはちこの人々もし一般の人の死るごとくに死に一般の人の罰せらるる如くに罰せられなばヱホバわれを遣したまはざるなり
然どヱホバもし新しき事を爲たまひ地その口を開きてこの人々と之に屬する者を呑つくして生ながら陰府に下らしめなばこの人々はヱホバを瀆ししなりと汝ら知るべし
モーセこの一切の言をのべ終れる時かれらの下なる土裂け
地その口を開きてかれらとその家族の者ならびにコラに屬する一切の男等と一切の所有品を呑つくせり
すなはち彼等とかれらに屬する者はみな生ながら陰府に下りて地その上に閉ふさがりぬ彼等かく會衆の中より滅ぼされたりしが
その周圍に居たるイスラエル人は皆かれらの叫喊を聞て逃はしり恐くは地われらをも呑つくさんと言り
且またヱホバの許より火いでてかの香をそなへたる者二百五十人を燒つくせり
時にヱホバ、モーセに告て言たまはく
汝祭司アロンの子エレアザルに告てその燃る火の中より彼の火盤を取いださしめその中の火を遠方に傾すてよその火盤は聖なりたればなり
而してその罪を犯して生命を喪へる者等の火盤は之を濶き展版となして祭壇を包むに用ひよ彼等ヱホバの前にそなへしに因て是は聖なりたればなり斯是はイスラエルの子孫に徴と爲べし
是において祭司エンアザル彼の燒死されし者等が用ひてそなへたる銅の火盤を取いだしければ之を濶く打展し之をもて祭壇を包み
之をイスラエルの子孫の記念の物と爲り是はアロンの子孫たらざる外人が近りてヱホバの前に香を焚こと無らんため亦かかる人ありてコラとその黨類のごとくにならざらん爲なり是みなヱホバがモーセをもて彼にのたまひし所に依るなり
その翌日イスラエルの子孫の會衆みなモーセとアロンにむかひて呟き汝等はヱホバの民を殺せりと言り
會衆集りてモーセとアロンに敵する時集會の幕屋を望み觀に雲ありてこれを覆ひヱホバの榮光顯れをる
時にモーセとアロン集會の幕屋の前にいたりけるに
ヱホバ、モーせに言たまひけるは
汝らこの會衆をはなれて去れ我直にこれをほろぼさんとすと是において彼等二人は俯伏ぬ
斯てモーセ、アロンに言けるは汝火盤を執り壇の火を之にいれ香をその上に盛て速かにこれを會衆の中に持ゆき之がために贖罪を爲せ其はヱホバ震怒を發したまひて疫病すでに始りたればなりと
アロンすなはちモーセの命ぜしごとくに之を執て會衆の中に奔ゆきけるに疫病すでに民の中に始まり居たれば香を焚て民のために贖罪を爲し
旣に死る者と尚生る者との間に立ければ疫病止まれり
コラの事によりて死たる者の外この疫病に死たる者は一萬四千七百人なりき
而してアロンはモーセの許にかへり集會の幕屋の門にいたれり疫病は斯やみぬ
ヱホバ、モーセに告て言給はく
汝イスラエルの子孫に語り之が中よりその各箇の父祖の家にしたがひて杖一本づつを取れ即ちその一切の牧伯等よりその父祖の家に循ひて杖都合十二本を取りその人等の名を各々その杖に書せ
レビの杖には汝アロンの名を書せ其はその父祖の家の長たる者各箇杖一本を出すべければなり
而して集會の幕屋の中我が汝等に會ふ處なる律法の櫃の前に汝之を置べし
我が選める人の杖は芽さん我かくイスラエルの子孫が汝等にむかひて呟くところの怨言をわが前に止むべし
モーセかくイスラエルの子孫に語りければその牧伯等おのおの杖一本づつを之に付せり即ち牧伯等おのおのその父祖の家にしたがひて一本づつを出したればその杖あはせて十二本アロンの杖もその杖の中にあり
モーセその杖を皆律法の幕屋の中にてヱホバの前に置り
斯てその翌日モーセ律法の幕屋にいりて視るにレビの家のために出せるアロンの杖芽をふき蕾をなし花咲て巴旦杏の果を結べり
モーセその杖をことごとくヱホバの前よりイスラエルの子孫の所に取いだしければ彼ら見ておのおの自分の杖を取り
時にヱホバまたモーセに言たまはく汝アロンの杖を律法の櫃の前に携へかヘり其處にたくはへ置てこの背反者等のために徴とならしめよ斯して汝かれらの怨言を全く取のぞきかれらをして死ざらしむべし
モーセすなはち然なしヱホバの己に命じたまへる如くせり
イスラエルの子孫モーセに語りて曰ふ嗚呼我等は死ん我等は滅びん我等はみな滅びん
凡そヱホバの幕屋に微にても近く者はみな死るなり我等はみな死斷べき歟
斯てヱホバ、アロンに告て言たまはく汝と汝の子等および汝の父祖の家の者は聖所に關れる罪をその身に擔當べしまた汝と汝の子等は汝らがその祭司の職について獲ところの罪をその身に擔當べし
汝また汝の兄弟たるレビの支派の者すなはち汝の父祖の支派の者等をも率て汝に合せしめ汝に事しむべし但し汝と汝の子等は律法の幕屋の前に侍るべきなり
彼らは汝の職守と聖所の職守とを守るべし只聖所の器具と壇とに近くべからず恐くは彼等も汝等も死るならん
彼等は汝に合して集合の幕屋の職守を守り幕屋の諸の役事をなすべきなり外人は汝らに近づく可らず
斯なんぢらは聖所の職守と祭壇の職守を守るべし然せばヱホバの震怒かさねてイスラエルの子孫に及ぶこと有じ
視よ我なんぢらの兄弟たるレビ人をイスラエルの子孫の中より取りヱホバのために之を賜物として汝らに賜ふて集會の幕屋の役事を爲しむ
汝と汝の子等は祭司の職を守りて祭壇の上と障蔽の幕の内の一切の事を執おこなひ斯ともに勤むべし我祭司の職の勤務と賜物として汝らに賜ふ外人の近く者は殺されん
ヱホバ又アロンに言たまはく我イスラエルの子孫の諸の聖禮物の中我に擧祭とするところの者をもて汝に賜ひて得さす即ち我これを汝と汝の子等にあたへてその分となさしめ是を永く例となす
斯のごとく至聖禮物の中火にて燒ざる者は汝に歸すべし即ちその我に献る諸の禮物素祭罪祭愆祭等みな至聖くして汝と汝らの子等に歸すべし
至聖所にて汝これを食ふべし男子等はみなこれを食ふことを得是は汝に歸すべき聖物たるなり
汝に歸すべき物は是なり即ちイスラエルの子孫の献る擧祭と搖祭の物我これを汝と汝の男子と女子に與へ是を永く例となす汝の家の者の中潔き者はみな之を食ふことを得るなり
油の嘉者酒の嘉者穀物の嘉者など凡てヱホバに献るその初の物を我なんぢに與ふ
最初に成る國の產物の中ヱホバに携へたる者は皆なんぢに歸すべし汝の家の者の中潔き者はみな之を食ふことを得るなり
イスラエルの人の献納る物は皆汝に歸すべし
凡そ血肉ある者の首出子にしてヱホバに献らるる者は人にもあれ畜にもあれ皆なんぢに歸すべし但し人の首出子は必ず贖ふべくまた汚れたる畜獣の首出子も贖ふべきなり
之を贖ふにはその人の生れて一箇月に至れる後に汝その估價に依り聖所のシケルに循ひて銀五シケルに之を贖ふべし一シケルはすなはち二十ゲラなり
然ど牛の首出子羊の首出子山羊の首出子は贖ふべからず是等は聖しその血を壇の上に灑ぎまたその脂を焚て火祭となしてヱホバに馨しき香をたてまつるべし
その肉は汝に歸すべし搖る胸と右の腿とおなじく是は汝に歸するなり
イスラエルの子孫がヱホバに献て擧祭とする所の聖物はみな我これを汝と汝の男子女子に與へこれを永く例となす是はヱホバの前において汝と汝の子孫に對する鹽の契約にして變らざる者なり
ヱホバまたアロンに告たまはく汝はイスラエルの子孫の地の中に產業を有べからずまた彼等の中に何の分をも有べからず彼らの中において我は汝の分汝の產業たるなり
またレビの子孫たる者には我イスラエルの中において物の十分の一を與へて之が產業となし其なすところの役事すなはち集會の幕屋の役事に報ゆ
イスラエルの子孫はかさねて集會の幕屋に近づくべからず恐くは罪を負て死ん
第レビ人集會の幕屋の役事をなすべしまた彼らはその罪な自己の身に負べし彼等はイスラエルの子孫の中に產業の地を有ざる事をもてその例となして汝らの世代の子孫の中に永く之を守るべきなり
イスラエルの子孫が十に一を取り擧祭としてヱホバに献るところの物を我レビ人に與へてその產業となさしむるが故に我かれらにつきて言り彼等はイスラエルの子孫の中に產業の地を得べからずと
ヱホバ、モーセに告て言たまはく
汝かくレビ人に告て之に言べし我がイスラエルの子孫より取て汝等に與へて產業となさしむるその什一の物を汝ら之より受る時はその什一の物の十分の一を献てヱホバの擧祭となすべし
汝等の擧祭の物品は禾場よりたてまつる穀物の如く酒醡の内よりたてまつる酒のごとくに見做れん
此のごとく汝等もまたイスラエルの子孫より受る一切の什一の物の中よりヱホバに擧祭を献げそのヱホバの擧祭を祭司アロンに與ふべし
汝らの受る一切の禮物の中より汝らはその嘉ところ即ちその聖き分を取てヱホバの擧祭を献べし
汝かく彼等に言べし汝らその中より嘉ところを取て献るに於てはその殘餘の物は汝等レビ人におけること禾場より取る物のごとく酒醡より取る物のごとくならん
汝等と汝らの眷屬何處にても之を食ふことを得べし是は汝らが集會の幕屋に於て爲す役事の報酬たればなり
汝らその嘉ところを献るに於ては之がために罪を負こと有じ汝らはイスラエルの子孫の聖別て献る物を汚すべからず恐くは汝ら死ん
ヱホバ、モーセとアロンに告て言たまはく
ヱホバが命ずるところの律の例は是のごとし云くイスラエルの子孫に告て赤牝牛の全くして疵なく未だ軛を負しこと有ざる者を汝の許に牽きたらしめ
汝ら之を祭司エレアザルに交すべし彼はまたこれを營の外に牽いだして自己の眼の前にこれを宰らしむべし
而して祭司エレアザルこれが血を其指につけ集會の幕屋の表にむかひてその血を七次灑ぎ
やがてその牝牛を自己の眼の前に燒しむべしその皮その肉その血およびその糞をみな燒べし
その時祭司香柏と牛膝草と紅の絲をとりて之をその燒る牝牛の中に投いるべし
かくて祭司はその衣服を浣ひ水にてその身を滌ぎて然る後營に入べし祭司の身は晩まで汚るるなり
また之を燒たる者も水にその衣服を浣ひ水にその身を滌ぐべし彼も晩まで汚るるなり
斯て身の潔き人一人その牝牛の灰をかき斂めてこれを營の外の清淨處に蓄へ置べし是イスラエルの子孫の會衆のために備へおきて汚穢を潔る水を作るべき者にして罪を潔むる物に當るなり
その牝牛の灰をかき斂めたる者はその衣服を浣ふべしその身は晩まで汚るるなりイスラエルの子孫とその中に寄寓る他國の人とは永くこれを例とすべきなり
人の死屍に捫る者は七日の間汚る
第三日と第七日にこの灰水を以て身を潔むべし然せば潔くならん然ど若し第三日と第七日に身を潔むることを爲ざれば潔くならじ
凡そ死人の屍に捫りて身を潔むることを爲ざる者はヱホバの幕屋を汚すなればイスラエルより斷るべし汚穢を潔むる水をその身に灑ざるによりて潔くならずその汚穢なほ身にあるなり
天幕に人の死ることある時に應用ふる律は是なり即ち凡てその天幕に入る者凡てその天幕にある物は七日の間汚るべし
凡そ蓋を取はなして蓋はざりし所の器皿はみな汚る
凡そ刀劍にて殺されたる者または死屍または人の骨または墓等に野の表にて捫る者はみな七日の間汚るべし
汚れたる者ある時はかの罪を潔むる者たる燒る牝牛の灰をとりて器に入れ活水を之に加ふべし
而して身の潔き人一人牛膝草を執てその水にひたし之をその天幕と諸の器皿および其處に居あはせたる人々に灑ぐべくまたは骨あるひは殺されし者あるひは死たる者あるひは墓などに捫れる者に灑ぐべし
即ち身の潔き人第三日と第七日にその汚れたる者に之を灑ぐべし而して第七日にはその人みづから身を潔むることを爲しその衣服をあらひ水に身を滌ぐべし然せば晩におよびて潔くなるべし
然ど汚れて身を潔ることを爲ざる人はヱホバの聖所を汚すが故にその身は會衆の中より絶るべし汚穢を潔むる水を身に灑がざるによりてその人は潔くならざるなり
彼等また永くこれを例とすべし即ち汚穢を潔むる水を人に灑げる者はその衣服を浣ふべしまた汚穢を潔むる水に捫れる者も晩まで汚るべし
凡て汚れたる人の捫れる者は汚るべしまた之に捫る人も晩まで汚るべし